正しい温泉の入り方
かかり湯は必ず実行しましょう
入浴という行為はからだにかける負担が大きいものです。
少なくとも、食前30分、食後と運動後1時間は入浴を避けましょう。
浴槽に入る前に、からだの汚れを落とすためと、からだを湯に慣らし、のぼせや脳貧血を防止するために「かかり湯」をします。
浴槽の湯を心臓から遠い手足から順に2〜3杯ずつからだにかけてゆきます。
かかり湯をきちんとすると、浴後の疲労感が著しく軽減されます。
特に、かかり湯の最後に頭からもかぶりますと、入浴初期の血圧の急な上昇によるのぼせや、脳出血、また、湯あがり時の脳貧血を防ぐことができるといわれています。
温度はぬるめの湯に
温泉の温度はお肌のためには37〜39℃が一番よいのですが、大浴場は多くの人が利用するものですから、そうそうわがままもいえません。
もしも同じ泉質で、ぬるい浴槽と熱い浴槽がある場合はぬるい方を選ぶようにしましょう。
湯が熱い時は・・・
温泉の効果を吸収するために、なるべく長く入っていたいので、熱い湯が苦手な人は、最初は肩まで浸かり、少しあたたまったら胸の線か、お腹まで湯から出す部分浴をします。
こうすると水圧もかからず楽になり、3分間ぐらいは入っていられます。
温泉の熱は血液を通して全身をまわりますので、部分浴でも効果は充分あります。
5分ぐらい休憩したら、ふたたび入浴します。たいてい、浴槽の縁の内側は段になっていますので、そこに腰かけるといいでしょう。
くれぐれものぼせる程には入らないように。無理は禁物です。
入浴中の死亡事故ヒートショックとは
近年、入浴中の死亡事故が増加傾向にあります。その半数は12月~2月の寒い時期に発生しています。
厚生労働省の調査結果では、入浴中の事故死は年間1万9千人(うち65歳以上が9割)とされ、なんとこれは交通事故の4倍に当たります。
原因としては、室内での急激な温度変化により血圧が大きく変動することです。
失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすヒートショックがあげられます。
55歳以上を対象にした消費者庁の調査では、「冬場の寒い時期に入浴事故が多い」などの認知度が高い一方、なんの対策もしていない人が36%もいます。
また10人に1人が入浴中に意識をなくすなどヒヤリとした経験があると回答しています。
ヒートショックを防ぐ対策は
ヒートショックの原因となる急激な温度の変化を避けるには、まず、衣服を脱ぐ脱衣所を温かくしておくことが大切です。
脱衣所に遠赤外線の小型ストーブを置いておくだけで、脱衣時の身体の冷えを緩和することができます。
お風呂場にも、入る前に高い位置からシャワーをかけるなどして、湯気でお風呂場全体を温めておきましょう。
そして、お湯につかる前にはかかり湯をし、徐々に身体をお湯に慣らすこと。
入るお風呂を熱すぎないようにすることも大切です。
お湯につかる時は一気につからず、足先から徐々に沈み込むような感じにします。
子供のように、心臓までドボン、なんていうつかり方は大変危険ですので、避けてくださいね。