アンチエイジング成分(守りと攻め)
肌を老化から「守る」成分と、積極的に「攻めて」ターンオーバーを高めたりコラーゲンを増やす成分があります。
それぞれどれか一つ取り入れることで、より進んだアンチエイジングのお手入れが可能になります。
守りのスキンケアとして有効な成分
●ビタミンC誘導体
皮膚への吸収を高めたビタミンC。コラーゲン合成には不可欠。美白作用もある。皮脂分泌をコントロールするため、毛穴対策としてもよく使われる。リン酸型ビタミンCのほかに、リン酸パルミチン酸型ビタミンCがあり、APPSと呼ばれている。
これは、水性と油性の両方の性質をもち、リン酸型よりも浸透がよいため話題になっている
●ナイアシン(ビタミンB3)
コラーゲンの合成を高めるため、肌にハリを出す。ニキビにも有効。刺激が少ないので、肌が弱いけれどアンチエイジングのものを試してみたいという人にも向いている。
●ポリフェノール、甘草エキス、黄金エキスなど(抗酸化成分)植物エキスが多く用いられる。
攻めのスキンケアとして有効な成分
●レチノール
ビタミンAの一種で、体内にもあるもの。真皮のコラーゲンを増やす作用があるため、シワ対策によく使われる。
ただし、やや刺激が強いので、顔じゅうに使うと粉をふくことがある。目元い限定するのが賢い使い方だ。
●AHA
代表的なピーリング剤。グリコール酸、乳酸、フルーツ酸などがこれに当たる。石けん、パック、ふき取り化粧水、美容液など、いろいろなものに配合されているが、もっとも手軽なのは石けんタイプ。ふきとりタイプはやや刺激が強い。週に1~2度の使用から開始し、慣れてきたら回数を増やすとよい。
●BHA
サリチル酸のこと。刺激が少なく、ニキビ、ニキビ跡、シミ、小じわに非常に有効性が高いが、
日本では化粧品には0.2%までしか配合できないので、自宅でBHAピーリングを行うことは難しい。皮膚科などで受けることは可能
※スキンア基本事典~より抜粋
アンチエイジングとは
老化を遅らせるための対策を「アンチエイジング」とよぶ。
年齢と共に肌が衰えていくのを、遅らせるための対策が「アンチエイジング」です。
そのなかには、スキンケアはもちろん、生活や食事の習慣などもあります。
守りと攻めのお手入れをする。
肌の老化を遅らせれるためには、「守りのスキンケア」と「攻めのスキンケア」を行いましょう
「守りのスキンケア」には2種類あります。
紫外線から肌を守るお手入れと、肌に栄養を与えるお手入れです。
まず紫外線対策は、1年を通して取り入れていかなくてはいけません。
肌に栄養を与えるためには、ビタミンB群、C、Eなどを、お手入れに取り入れるようにします。
これは、どれかひとつでもかまいませんが、必ず取り入れたのが、ビタミンC誘導体です。
コラーゲン合成促進、美白など、さまざまな効果があるためです。ビタミンC誘導体が配合された化粧水などを長く使っていくとよいでしょう。さらに、抗酸化成分もプラスするとよりよいです。
「老化=酸化」であることが解明されてから、植物エキスなどの抗酸化成分が化粧品に配合されるようになりました。試してみる価値がありそうです。
「攻めのスキンケア」は、積極的に代謝を高めたり、コラーゲンを増やしたりするお手入れでピーリング剤やレチノールがこれに相当します。
ピーリング剤で角質をとると、皮膚はそこを早く修復しようとして、下から早い速度で上がってきます。
つまり、細胞分裂が活発になるのです。これが、ピーリングによる肌の若がえりの仕組です。
続けていくと表皮はふっくらしてきて、真皮のコラーゲンも増えます。美白効果もあります。
「守りのスキンケア」と「攻めのスキンケア」を両方取り入れることで、積極的なアンチエイジングが可能になります。
年齢に合わせたアンチエイジングとは
シミやシワが気になりだすのは、一般的には20台後半から30代くらいからですが、
それら(シミやシワ)は生まれたときから始まる「老化」が積み重なってできものです。
それだけにいつから老化対策をすればよいのかというと、難しい問題になります。
そこで、おおまかではありますが、「守りのスキンケア」である紫外線対策は10代から始め、20代になったらビタミンC誘導体配合の化粧水を使うように心がけ、30代からは「攻めのスキンケア」であるレチノールやピーリング剤などを配合した化粧品と使う、という方法をお勧めします。
※スキンア基本事典~より抜粋
体サビさせる「活性酸素」
「肌が衰えてきたな」と自分で意識するのは、シミやしわなどが目立ってくる40代からの人が多いですが、実際には生まれた瞬間から、老化はスタートします。
老化は、体の組織が酸化していくことつまり「錆びていくこと」と考えてください。人は呼吸をしてエネルギーを得るわけですが、この時にどうしても活性酸素が発生します。この活性酸素が肌をサビさせる原因となるのです。つまり、人が生きていく限り老化は避けられない、宿命といえます。さらに、たばこやストレスが活性酸素を増やします。
水分量、油分量、コラーゲンの減少とターンオーバーの低下
さらに、年を重ねるに従い、肌やからだの中で、いろいろな変化が現れています。
まず、真皮の水分量が、赤ちゃんのときには80%くらいあったものが約65%になり、そのあとも下降線をたどります。
セラミドも、年々減少するため、表皮にある角質層の水分も減っていきます。
これら水分の減少は、30代くらいから自覚されることが多いようです。
30代~40代になれば、皮脂量が減少していきます。
女性ホルモンの分泌量も低下を始め、そのためコラーゲンが減り、シワやたるみが出てきます。
ターンオーバーも年々低下するため、シミが残ったり、ニキビが治りにくくなったりします。
紫外線や摩擦、間違ったスキンケアや生活習慣
このような生理的な衰えに、紫外線や間違ったスキンケア(肌をこする、合わない化粧品を使うなど)による肌へのダメージが加わることで、
老化は一歩一歩進んでいきます。
目には見えない小さなダメージが、毎日少しずつ肌の奥に刻みこまれていくからです。
紫外線はシミをつくり、さらに真皮にはシワをつくります。
「まだ若いから」といって、真っ黒に日焼けしたり、いい加減なスキンケアをしていると、老化を早めてしまうことになります。
また、肌が乾燥したままでいると、角質のバリア機能が衰え、健康な肌のときよりも外からのダメージを受けやすくなり、老化を早める原因に。
さらに、「皮膚は内臓の鏡」といいますが、偏ったダイエットや睡眠不足なども、肌年齢を加速させます。
コラーゲン
「コラーゲン」とはタンパ質の一種で、繊維状の構造をつくる性質があり、人体では、皮膚のほか、筋肉や骨、内臓などのいたるところに存在します。コラーゲン繊維のことを膠原繊維ともいいます。
肌のコラーゲンは、真皮にあります真皮の約70%はコラーゲンでできています。
コラーゲンは、ゴムのように弾力をもった繊維なので、肌は押しても元に戻りますし、多少は伸び縮みするわけです。
しかし、紫外線や加齢によって劣化すると、古くなったゴムと同じで、弾力を失います。
コラーゲンは繊維であって、生きて細胞ではないですから、死ぬということはありません。
したがって、表皮細胞のように生まれ変わる(ターンオーバー)ということもありません。コラーゲンは、繊維芽細胞という細胞から新しく作りだされ、古くなったものは酵素などで分解されていきます。
このようにして非常にゆっくりと、新陳代謝はしているのですが、真皮のコラーゲンがひととおり代謝するのに、約2~6年かかるといわれます(2年と6年ではかなり違いますが、時間がかかりすぎるので、正確には測れないのです)
しかし、これも40代くらいまでの話で、40代以降になると、ほとんど新しくつくられることはなくなります。
そのため、コラーゲンはどんどん古くなり、量も減っていくのです。これがシワとたるみの原因です。
セラミド
角質のバリア機能は、実は肌の中の「セラミド」の量と関係します。セラミドが減ると、バリア機能も弱まります。
角質層は、煉瓦とセメントのような構造をしているといわれます。
角質細胞を煉瓦に例えると、セラミドなどの角質細胞間脂質がセメントで、角質細胞をつなぎとめています。
角質細胞間脂質はコレステロールのようなものを原料として、表皮細胞の中で作られます。いろいろな資質が混ざり合ってできていますが、そのうちの約40%にあたるのが「セラミド」です。残りの60%にスフィンゴ脂質や遊離脂肪酸などが含まれます。これらの脂質が水と結合して、肌の水分を守り、また、下界の刺激から肌を守るためにも大きな役割を果たしているのです。
このように、しっかり積み重なった角質層ですが、セメントの部分「セラミドなどの角質細胞」が足りなくなると、レンガ(角質細胞)がぐらついてしまい、一部がはがれ落ちたりします。これが、肌の表面からは、粉をふいたような状態として見られるのです。レンガが脱落すると、当然そこはバリア機能が弱くなって、外から刺激が入り込みます。肌が粉をふいた状態になっているときに洗顔すると、石けんがしみたりするのはこのためです。
セラミドは、レンガを支え、さらに水分をキープしている、肌にとってもっとも大切なモノと言えるのです。