ノミアレルギー
ノミにかまれたり、接触することによって皮膚炎が起こるものをノミアレルギーといいます。アトピー性皮膚炎や接触性アレルギー、食物性アレルギーなど、ほかのアレルギーがあると、ノミアレルギーもおこりやすくなります。
・かかりやすい犬種
すべての犬種
〔原因〕
ノミが血を吸うときに犬の体内にノミの唾液も注入されます。皮膚から吸収された、子の唾液の中の“パプ点”というたんぱく質に対してアレルギー反応が起こり、皮膚炎が引き起こされます。
〔病状〕
ノミアレルギーによる皮膚炎は、腰の背中側、後ろ足、足の付け根、おなかなどに多く見られます。かゆいために、ひっかいたり、ねめてかゆみを止めようとします。
アレルギーが起こると、皮膚に赤いポツポツした発疹ができたり、赤くはれたりします。ひっかうことによって、ゴワゴワとしたかさぶたができたり、脱毛が起こることもあります。
まれに、大量ののみに吸血されたために、貧血になることもあります。とくに子犬や小型犬は要注意です。
〔治療・予防〕
愛犬の体と愛犬の生活環境からノミを除去します。ノミは室内の畳やじゅうたんなどでも繁殖するので、くまなく駆除することが大切です。
ノミの体長は２ｍｍほどで、黒褐色をしています。幼虫のウジ虫は体長は２～３ｍｍです。卵は０．５ｍｍほどで白く、よくころがります。これらを愛犬の被毛や犬舎などで見つけたら徹底的に除去してください。
ノミの駆除薬には、飲み薬のほか、皮膚に滴下するもの、薬浴剤などがあります。
皮膚病状に対しては、かゆみ止めや、皮膚保護のためのビタミン剤などが使われます。アレルギー反応を抑えるために、抗アレルギー薬も投与されます。
ノミは犬条虫（瓜実条虫：サナダムシ）という寄生虫の中間宿主になります。ですから、寄生虫予防のためにもノミの駆除は必要です。
さらに、ノミは人も刺します。主に膝から下にかゆみのある発疹ができます。この場合は、犬舎だけでなく室内のノミの駆除も十分に行うことが大切です。
ノミ・ダニの駆除法
ノミ・ダニによる皮膚炎は、治療に長期間要し、アレルギーを引き起こすと慢性化するなどやっかいな病気です。愛犬の健康維持のためには、ノミ・ダニの駆除は不可欠です。除去法のポイントは次の通りです。
○駆除薬を使う
ノミ・ダニの駆除効果がある飲み薬や滴下薬などあります。これらを定期的に利用します。
フロントラインスポットオン
ノミ・マダニの駆除薬。首の後ろに数的たらすだけで、効果が１～２か月持続。動物病院で処方してもらえる（メリアル）
○犬の周囲のものは熱湯消毒、天日干しで清潔に
犬舎の敷物や布製のおもちゃなどは、ノミやダニのすみかになりやすいので、頻繁に洗濯します。熱湯に数分間つけてから洗濯をし、天日で乾燥させます。首輪やブラシなども定期的に熱湯消毒します。犬舎もこまめにそうじします。掃除後は天日干しして中に湿気がこもらないようにします。また、風通しのよい場所に犬舎を設置します。
○定期的に薬浴・薬用シャンプーを使う
市販の薬剤薬や薬用シャンプー、また獣医師に処方された薬剤薬を使って定期的に予防・駆除します。
○散歩から帰ったらノミ・ダニチェックを
散歩の途中で犬の体にノミやダニがついてくることがあります。犬舎や室内に入る前に、ブラッシングをして、ノミ・ダニを落とす習慣をつけます。ブラッシングの際に、ノミ、ダニ取り粉を使うとより一層効果的です。
○室内のノミ・ダニは掃除機で
室内でノミ・ダニが繁殖しないよう部屋のすみずみまで掃除機をかけましょう。ノミ取り粉などをまいてから掃除機をかければ、より効果的。掃除機のゴミパックの中でノミ・ダニを繁殖させないよう、掃除機はゴミパックをすぐに処分します。
