ステロイドの様々な副作用

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ステロイドの様々な副作用

アトピーでお悩みの方が(健康な皮膚の方でも)、必ず一度は使用しているステロイド軟膏ですが、いつぐらいから使用されているのでしょうか?
ステロイドの歴史をみると1936年(昭和10年)、カナダの生理学者セリエという人が、ネズミの副腎を調べて発見しました。その後、ステロイドの研究が進むにつれて、化学的に合成されて医薬品として使われてきたのです。
1952年(昭和27年)にステロイド軟膏は、皮膚症状には大変よく効く薬だ、と報告され世界的に大々的に使用されましたが、この時は素晴らしい効果に目を奪われて、誰も副作用のことなど考えもしなかったのです
そして1963年(昭和38年)ヨーロッパの方から世界で初めてステロイド軟膏の副作用が報告されたのです。

○ステロイド剤の副作用

ステロイド剤はアトピー性皮膚炎の治療には大変有効です。そのために病院ではよく処方されています。ただし副作用が強いために、しっかりと管理して使用しなければなりません。 このように、すぐれた効き目と副作用とが同居していることから、ステロイド剤は「両刃の剣(もろはのつるぎ)」と言われています。 なぜステロイド剤を使用すると副作用がでるかといいますと・・・ 長期間、ステロイド剤を塗り続けていくと(副腎皮質ホルモンを外から与えること)、体内にある副腎は、外からのホルモンに頼るようになり、その機能を低下させ、自分の身体で副腎皮質ホルモンを産生しなくなります。『このように私たちの体に必要なステロイドホルモンが産生されなくなること』 これが一番の問題なんですね。ステロイドホルモンは私たちの体の中で大切な役割をしています。それぞれの働きにおける副作用を見ていくと・・・

①糖代謝に対する作用

ステロイドは、肝臓に働いて血液中の糖(血糖)の量を増やすように働く代謝作用があります。 これはストレス時の脳の機能低下を防ぐために起こります。

糖尿病になりやすい

②脂質代謝に対する作用

脂肪組織に作用して脂肪の分解を促進し、血液中のコレステロールや中性脂肪値を上昇させます。ただし一部の組ででは、逆に脂肪合成が促進します

満月様顔(ムーンフェイス)・高脂血症・動脈硬化になりやすい

電解質作用

電解質というと少し難しく聞こえますが、これはナトリウムやカリウムなどの物質のことです。ステロイドには血液中のナトリウムを増やしてカリウムを減らすという電解質作用があります。

高血圧になりやすい

骨代謝に対する作用

ステロイド薬は骨代謝に関して、骨形成を低下させ、骨吸収を上げて総合的に骨の量を減らす方向に作用します。

骨粗しょう症になりやすい

筋肉に対する代謝作用

私たちの筋肉は横紋筋と平滑筋に分かれています。ステロイド薬は、おもに横紋筋の代謝に作用します。 肝臓で糖を合成するための材料として筋肉組織のタンパク質を分解し、アミノ酸として血液中に放出します。その結果、筋肉組織の量が減り、筋力が低下することがあります。

横紋筋融解症になりやすい

抗炎症作用  

炎症が起こる時に必要なサイトカイン(炎症を起こすたんぱく質)とプロスタグランジン(生理活性物質)の産生と作用をブロックすることで炎症を抑えます。また炎症を重くする白血球の働きを抑える作用があります。                      感染症(風邪や細菌等)になりやすくなる

免疫抑制作用

免疫の主役であるリンパ球は血液中やリンパ節などの中にいて、自分の体の成分とそうでないもの(異物)とを識別することができます。自分の成分でないものが侵入してくると、それを分解・処理していきます。この働きが免疫です。このリンパ球の働きが過剰になってしまうのがアレルギーです。ステロイドはこのアレルギーや免疫を抑える作用をもっています。 

            感染症(風邪や細菌等)になりやすくなる 

ステロイドの塗り薬だけでは、ここまでのひどい副作用は滅多にありませんが、外用薬も長期塗り続けていれば皮膚に対する副作用がでてきます。

○ステロイド外用薬で出やすい副作用

  1. 皮膚が薄くなり、毛細血管が透けて見える(皮膚の委縮と毛細血管の増殖)

  2. 赤みが全体に広がる(ステロイド潮紅)

  3. 酒査様皮膚炎

  4. 色素沈着して皮膚が黒っぽくなる

  5. 皮膚が象の皮膚のように、厚くザラザラになるにきびができやすくなる

  6. 毛深くなる

  7. 細菌・真菌(カビ)・ウイルスなどに感染しやすくなる

  8. 白内障、緑内障になりやすい。

※「ステロイドを使うと言われたとき」 順天堂大学医学部膠原病内科教授 橋本博 編集 より参照

ステロイドは、うまくつきあっていけば、「アトピーの症状を緩和する」大変良い薬ですが、このように副作用のことも考えていかねばなりません。

※ステロイドとは?→こちら

※ステロイドの離脱→こちら

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